8.矯正治療について


 
  1. 子供の歯並びがあまりよくありません。 矯正治療をする必要がありますか?
  2. それでは、 これらを治療する装置にはどのようなものがあるのでしょうか?

質問:

子供の歯並びがあまりよくありません。 矯正治療をする必要がありますか?

答え:

  まず大切なのは、 子供さんの年齢です。 乳歯から永久歯に生え変わる時期の前歯の歯並びであれば、 あまり気にする必要がない場合がほとんどです。 みにくいアヒルの子の時期とも言われ、 前歯が少し曲がっていたり、 歯の間に隙間があったりしますが、 正常なことがほとんどです。 また、 乳歯のときに上顎よりも下顎が出ている、 いわゆる受け口のお子さんでも、 永久歯に生えかわると、 受け口が治ることもあります。 しかし、 ご両親や親族に受け口の方がいる場合には、 乳歯が生えそろった段階で、 1度矯正専門医に相談しておく方がよいでしょう。 一般に、 受け口ではないものの、 歯並びだけが悪い場合には、 永久歯が生えそろった段階で、 本格的な矯正治療に入る場合が多いようです。 目安は上と下の6本ずつの前歯が生えてきたときに、 歯並びが気になるようでしたら、 やはり矯正専門医に相談することをおすすめします。 これから、 簡単な説明を記載しますので参考にして下さい。

  通常、 矯正治療は若い程よいといわれますが、 早ければ早い程良い、 というものでもありません。 一口に矯正治療といっても、 各人各様の症状が有り、 それに応じて治療最適年令も様々です。
  特に最近は、 大人の方でも希望される方が多く、 治療年令層も広がってきています。 また、 義歯や、 Bridgeの前処置として治療される方もいらっしゃいます。

  矯正治療は、 悪い歯並び(専門的には、 不正咬合)を治療する訳ですが、 どういう状態を不正咬合というのでしょう。不正咬合は、 大きく次の四つに分けられます。

  1. 八重歯・乱ぐい歯(叢生)
      あごが小さくて、 歯が生える場所が足りなくなり、 押し合いへしあいして、 歯並びがデコボコになった状態です。 八重歯を日本人は、 かわいいと言ったりしますが、 欧米では、 ドラキュラの歯と言って嫌います。 明らかに不正咬合の一つです。
  2. 受け口(反対咬合)
      前歯は通常、 上が外側に、 下が内側に出て噛み合いますが、 これが反対になっている状態です。
    (1). 前歯だけの反対咬合で、 主として、 上下の前歯の歯軸に原因があるもの
    (2). 下あごの骨格がもともと大きすぎるもの
      大人の場合、 (1)なら治療は簡単ですが、 (2)の時は、 下あごの骨を切って、 あごを後退させなければ、 噛み合わせがとれません。
      子どもの場合、 判定が難しく、 若いうちに一旦治ったかに思えても、 身長の伸びと共に、 再び反対になることがあります。 これは、 下あごの成長が上あごの成長より大きく、 また、 上あごの成長時期が10才前後で終わるのに対して、 下あごは身長が最大に伸びる時期とほぼ一致して、 男子で12〜13才、 女子で11才頃にピークを迎え、 その後、 男子は18〜20才、 女子は16〜17才頃まで、 成長が続くからです。 これは、 矯正専門医でも予測が難しく、 あまり早い時期からの大掛かりな治療は進めていけません。
  3. 出っ歯(上顎前突)
    (1). 上の前歯が強く前に傾斜している場合
    (2). 上あごそのものものが前に出過ぎている場合
    (1)の場合、 治療の対象年令は広いです。 (2)の場合、 小学校の中・高学年までが最良です。 上述のように、 この時期まで上あごの成長がほぼ終わるので、 上あごの成長を抑制する装置が治療効果を挙げるのです。
  4. 開咬
      口を閉じても、 前歯や側方の歯が噛み合わないタイプで、 物が噛み切れない人もいます。 主な原因としては…
    (1). 子どもの頃からの習慣で、 舌を上下の前歯の間に突き出す癖によるもの
    (2). 下あごが、 下方に向かって異常成長したもの
    等が考えられています。 (1)の場合は、 子どもの時期に、 この癖を取り除いてやることが大切です。 しかし、 放置しておくと(2)に移行することもあります。 (2)の場合は、 下あごが出た受け口と同様です。 早期に治療をして、 経過を見ます。 成果が得られなければ、 あごの成長の止まる20才頃まで待ち、 その後手術が必要となります。

それでは、 これらを治療する装置にはどのようなものがあるのでしょうか?

  1. フルブラケット
      最も目にする装置がこれで、 Full Bracket Systemといいます。 歯牙一本、 一本に金具を取りつけ、 この金具の間に針金を通したものです。 この装置が、 最もよく使用され、 歯の移動を確実に行えます。
  2. 顎外装置
      フルブラケット装置と併用したり、 成長を抑制するのに使用します。 主に、 頭にかぶった帽子から、 ゴムを引っかけて使用します。 ただし、 取りはずしのできる装置ですので、 患者さんが自分から装置を使わなければ効果は現れません。
  3. その他の装置
      フルブラケットの使用できない永久歯列前期や、 1〜2,3本の歯牙移動時に使用するもので、 義歯のようなもの(プレート)や、 歯の裏側に小さな針金をつけて歯を動かします。 また、 舌の癖を治すのにも使用されます。
  4. 保定装置
      主として、 針金による矯正治療の終了した後、 後戻りを防止するのに使われます。 主として、 プレートが使用されます。