4.虫歯の予防と治療について多い質問について
- よくTVで歯垢とか歯石という言葉を聞きますが、歯垢と歯石とは違うものなのですか。
- 歯科医院で麻酔の注射をしたのですが、どんなことに注意する必要がありますか。
- 歯に穴が開いています。今まで痛くなかったのですが、痛みが出てきています。我慢すると治りますか。
- 虫歯予防のためにフッ素を塗りたいと思います。効果があるのですか。
- 最近、キシリトールという言葉をよく聞きますが、キシリトールってなんですか。
- 虫歯ができてしまい、今日歯科医院で治療を受けました。神経のある歯を削ったと言われたのですが、物をかんだり、冷たい物を飲むとしみたり、少し痛みます。大丈夫ですか。
- 歯の治療で、保険診療と自費診療というのがあるということを聞きました。どんな違いがあるのですか。
- 歯ブラシの選び方について教えてください。
- 糸ようじという言葉を聞いたことがありますが、何に使うのですか。
- 歯間ブラシって何ですか。
- 歯磨きは、いつ頃からしたらいいの?
- フッ素は効果があるの?
- シーラントはした方がいいの?
- 虫歯になりやすい飲み物は?
- キシリトールについて
よくTVで歯垢とか歯石という言葉を聞きますが、歯垢と歯石とは違うものなのですか。
答え:
歯垢はプラークと言われ、その成分の70%以上は細菌です。虫歯、歯周病の原因となります。歯石は、そのプラークが石灰化して固まったもので、歯ブラシだけでは落とすことができなくなります。歯科医院で落とす必要があります。
歯科医院で麻酔の注射をしたのですが、どんなことに注意する必要がありますか。
答え:
歯科の麻酔注射をした後は、1〜3時間ほどしびれた感じが残ります。感覚がないため、唇や舌を誤って噛んでも気付かずに、後になって痛み、気がつくことになります。食事をする時は、なるべく麻酔が切れてからにしてください。また麻酔が切れた後に、注射針を刺した所に痛みが出ることがありますが、通常は半日から1日で消失します。
歯に穴が開いています。今まで痛くなかったのですが、痛みが出てきています。我慢すると治りますか。
答え:
治りません。一時的に痛みが消えることはありますが、症状はどんどん進んでしまいます。「歯医者が怖くてなかなか治療に行けない。」という人がたくさんいらっしゃいますが、我慢する事の方がとても恐ろしいことです。虫歯の初期は、冷たいものや甘いものがしみます。この時であれば、治療はほとんどの場合1、2度で済みますし、歯を失うことはありません。虫歯がもう少し進行すると、何もしなくてもズキズキ痛むようになります。このころは、虫歯が歯の中心の神経(歯髄)にまで進行していることが考えられます。こうなると歯の神経(歯髄)を取らなければなりません。麻酔の注射をしなければなりませんし、治療の回数も数回かかります。この時期を我慢して通り過ぎると、歯の神経は化膿し、その膿は歯の回りの骨を溶かし始めます。どんどん歯を保存することが難しくなります。またその膿は血管から全身へと運ばれてしまいます。全身疾患の原因にもなるのです。虫歯は、早期発見、早期治療が大切です。我慢しすぎると、痛くない治療がしにくくなり、歯医者が恐ろしくなってしまいます。どうか、私たちを恐ろしい人間にしないうちに、来院してください。
虫歯予防のためにフッ素を塗りたいと思います。効果があるのですか。
答え:
- エナメル質を強化する働きがあります。歯の表面にあるエナメル質の結晶を化学的に強化して、酸に対する抵抗性を増加させます。
- 歯の再石灰化を促進する働きがあります。エナメル質が酸によって少し溶かされても、フッ素が歯の溶けた部分の再石灰化(溶けたカルシウムが再び戻る)し、ごく初期の虫歯であれば、それ以上進行することを防ぐことができます。
- 細菌の活動を抑制する働きがあります。フッ素は抗菌作用を持っていて、虫歯菌の活動を抑制するといわれています。
歯科医院では、イオン導入という方法をとったり、綿球で歯に塗ったりしますが、現在では、歯磨き粉の中にフッ素が含まれている製品がたくさんあります。まず歯磨き粉をつけない歯ブラシできちんとブラッシングをした後、フッ素入りの歯磨き粉を使い、全体をブラッシングし、仕上げ磨きすることが理想的と思われます。
最近、キシリトールという言葉をよく聞きますが、キシリトールってなんですか。
答え:
シラカバなどから作られた代替甘味料です。虫歯の原因菌によって代謝されないため、酸が産生されません。ですから、虫歯の原因になりにくいといわれています。また、近年、北欧を中心とした研究で、虫歯の原因となる細菌を減少させる、フッ化物と一緒に再石灰化を促進するなど、虫歯の予防効果が指摘されています。現在日本では、キシリトールは化粧品原料基準に収載されており、歯磨き粉に配合できるばかりでなく、1997年4月には食品添加物としても認可され、ますますその応用が広がっています。
虫歯ができてしまい、今日歯科医院で治療を受けました。神経のある歯を削ったと言われたのですが、物をかんだり、冷たい物を飲むとしみたり、少し痛みます。大丈夫ですか。
答え:
神経のある歯を削った場合には、歯を守る役目をしているエナメル質を削っていますので、硬い物をかんだり冷たい物を飲むと、歯の中の神経(歯髄)を少し刺激してしまいます。正式な詰め物やかぶせるものが出来上がるまでは、多少は仕方ないことがあります。治療中の場所で硬いものをかんだり冷たいものを食べることは控えた方が賢明です。治療が終わった後も1週間くらいはしみる症状が残りますが、ほとんどの場合心配はいりません。1週間くらい経っても、食事ができないくらいしみたり、かむと痛いなどの症状がある場合には、歯科医に診察してもらってください。

歯の治療で、保険診療と自費診療というのがあるということを聞きました。どんな違いがあるのですか。
答え:
健康保険で治療できない歯の治療はありません。どんな治療でも保険制度で定められた材料と方法で治療することができます。しかし、近年の目覚ましい科学技術の発展から、保険制度で定められていない材料や治療方法がたくさん出てきました。例えば、保険制度で定められた金属(銀歯)よりも、より自分の歯に近い硬さの材料でしかも色も似ていて、歯により適合しやすい材料を使用した場合の方が、きれいでしかも再び虫歯になりにくくなります。そして、口の中から見える場所で、自分の歯の色により似たかぶせるものを望む場合には、色もきれいで長持ちするいろいろな材料や治療方法が確立されています。そういった材料や方法を選択した場合には、自費診療となり、保険が適用されません。治療を受ける際には、歯科医師にお尋ねください。
歯ブラシの選び方について教えてください。
答え:
今日、本当にたくさんの種類の歯ブラシが販売されています。ここでは、一般的な歯ブラシの選び方をお話しします。
- 歯ブラシの毛の幅は、自分の人さし指1本半くらいの大きさのものを選びましょう。あまり大きすぎると、細かい部分に歯ブラシが届きません。できれば、少し小さめの歯ブラシの方が理想的です。
- 歯ブラシの硬さは、普通と表示されているもので十分です。個人の好みもありますが、あまり柔らかすぎると力が伝わりにくいですし、あまり硬すぎると、歯肉を痛める原因になります。
- 柄の部分の形は、直線が基本です。直線の歯ブラシで磨きにくい1番奥の歯などは、柄の湾曲したものを使うことも必要です。場所によって、歯ブラシを使い分けることができれば、より確実です。
- 毛先が斜めにカットされているものなど、毛先の形もいろいろですが、一般には平らなものをお薦めします。特殊な歯ブラシをお使いの場合には、使い方をしっかり理解し、正しい使い方をしなければ平らなものよりもかえって汚れを落とせない原因になります。


糸ようじという言葉を聞いたことがありますが、何に使うのですか。
答え:
歯についた汚れは、歯ブラシだけではなかなかすべてを落とすことはできません。例えば歯と歯の間の汚れを歯ブラシだけで落とすことは非常に大変です。糸ようじは、歯と歯の間汚れのを落とすのに大変有効です。今は、スーパーマーケットでもいろいろな種類の糸ようじを買うことができます。できれば1日に1度、使用することをおすすめします。

歯間ブラシって何ですか。
答え:
糸ようじと同じ歯と歯の間の汚れを落とす道具の1つです。年齢とともに歯肉が減り始め、歯と歯の間にすき間ができ始めた人におすすめします。これもいろいろなサイズや種類があります。歯ブラシと併用すればかなり確実に汚れを落とすことができます。できれば、歯科医院で正しい使い方の指導を受けてください。

歯磨きは、いつ頃からしたらいいの?
答え:
一般に歯が生え始めるのが、生後8-9ヶ月頃。この頃は離乳食に移行し始める時期で少しずつ歯に付着しやすい物を食べ始めます。この時期は、ガーゼで汚れをふき取ってあげてください。そうすることによって、子供と親それぞれが歯の清掃というものを体で覚え、双方とも今後の歯磨きに対する抵抗が無くなると思います。また、お母さんの口の中の虫歯菌がうつる可能性もあるため、口移しで食事をあげるのはできる限りやめるようにしましょう。歯ブラシは1歳ぐらいから少しづつ使えるように。歯磨き粉はうがいが苦手なうちはあまり使わないようにしましょう。
フッ素は効果があるの?
答え:
歯の質を強くする為に使います。最近では、フッ素入りの歯磨き粉も多く見られます。定期的に歯科医院でフッ素を塗ってもらうのといっしょに、フッ素入り歯磨き粉を習慣的に使用するのが効果的でしょう。歯科医院でのフッ素は,歯がある程度生えて1.5〜2歳くらいから行うのが良いでしょう。間隔は虫歯のなりやすさにえ影響されますが、3〜6ヶ月おきに受けるといいでしょう。何よりも継続していくことが大切です
シーラントはした方がいいの?
答え:
シーラントというのはご存知でしょうか?シーラントは生えたばかりの永久歯が非常に虫歯になりやすいため、溝を削らないであらかじめふさいでしまうお薬のことです。希望があれば乳歯にも行います。参考までに、第一大臼歯を20歳まで虫歯の治療を経験したことがない人は、わずかに10%前後しかいません。
虫歯になりやすい飲み物は?
答え:
頭の中でわかっていると思いますが、糖分の多い飲み物は虫歯を非常に多く作ります。飲み物というのは食べ物に比べて、時間を決めづらく、間食時、遊んでいる最中、寝る前など気軽に飲める為摂取する時間が長くなりがちです。そのため歯と糖分が接している時間が長くなり、虫歯を非常に作りやすい環境になります。また虫歯を作りやすい子供の傾向として、スポーツドリンク、乳酸菌飲料、果汁入りジュースなどを時間を決めずに飲んでいるということが上げられます。反対に虫歯をあまり作らない子供は、麦茶などのお茶類を常飲している場合が多いようです。ちなみにお茶にはフッ素が含まれており虫歯の予防効果も最近知られてきました。
キシリトールについて
答え:
最近TV、CMなどでよく見かけるキシリトール。キシリトールは、天然成分で抽出される甘味料で虫歯を作る酸を出さないことが知られています。主に、ガムやタブレットなどに用いられ、特に糖分のうちキシリトール含有率100%のものは、虫歯予防にも効果が高いともいわれています。しかし、予防の基本はブッラッシングであり、キシリトールに頼る予防では虫歯をゼロにすることはできません。
